「Webデザイナーになりたい」という声は転職相談の中でも常に上位です。おしゃれなデザインを作る・在宅で働ける・センスを活かせる、そんなイメージがあると思います。ただ、現実はスクール広告が言うほど甘くありません。この記事では正直に整理します。

この記事では、Webデザイナー職の実態を良い面も悪い面もフラットに整理します。

  • Webデザイナーの種類と仕事内容
  • 給与・キャリアのリアル
  • 向いている人・向いていない人
  • 未経験からWebデザイナー転職の現実
  • ポートフォリオの作り方と重要性
  • 転職で確認すべきこと

① Webデザイナーの種類と仕事内容

読者 ひより
Webデザイナーってサイトをおしゃれにデザインする仕事ですよね? 他にどんな仕事があるんですか?
あたる あたる
見た目のデザインはあくまで一部です。コーディング・バナー制作・UI/UX設計など、会社によって求められる業務の幅がかなり違います。「デザインだけやりたい」と思っていると入ってから驚くことも多いです。

Webデザイナーの仕事内容は、会社の規模や方針によって大きく異なります。

Webデザイン サイト・LPのビジュアル設計

WebサイトやLPのレイアウト・配色・フォント・余白などのビジュアルを設計します。PhotoshopやFigmaなどのツールを使います。

コーディング HTML・CSSでの実装

デザインをHTML・CSSで実際のWebページとして実装します。多くの求人でコーディングスキルが求められるため、デザインだけでなくコードの知識も必要です。

バナー・画像制作 広告・SNS用素材の制作

Web広告・SNS投稿・メルマガ用の画像制作。IllustratorやPhotoshopが中心で、量をこなすルーティン作業が多い場合もあります。

UI/UXデザイン 使いやすさの設計

ユーザーが使いやすいインターフェースを設計します。見た目の美しさより「使いやすさ」を優先する専門性の高い分野で、経験者向きです。

ディレクション 制作進行・クライアント対応

クライアントのヒアリング・制作スケジュール管理・デザイナーやエンジニアへの指示出しなど。経験を積んだWebデザイナーが担うポジションです。

グラフィックデザイン 印刷物・ブランディング素材

チラシ・パンフレット・名刺などの印刷物デザインも兼務するケースがあります。Web専任か紙も含むかで業務範囲が変わります。

💡 ポイント:求人票に「Webデザイナー」と書いてあっても、実際はバナー制作が中心の会社、コーディングがメインの会社、UI設計が中心の会社とさまざまです。応募前に「どの業務が中心か」を必ず確認しましょう。

② 給与・キャリアのリアル

給与水準

ポジション・経験年数平均年収目安特徴
未経験〜1年目240〜320万円制作会社・Web系中小が多い。低めからスタート
3〜5年目(中堅)350〜500万円スキルと実績次第で伸びる。転職で年収アップしやすい
UI/UXデザイナー(経験者)500〜750万円専門性が高く需要も高い。大手・IT系で高年収が狙える
Webディレクター450〜650万円マネジメント・クライアント対応で評価が上がる
フリーランス(中堅以上)400〜800万円(差大)案件次第で大きく変わる。安定しにくい面も

キャリアの実態

Webデザイナーはスキルが可視化しやすい職種のため、ポートフォリオ(作品集)の質が年収と転職先を直接左右します。年数より実績・作品の完成度で評価される傾向が強く、努力次第で比較的早くキャリアアップできる職種です。

  • 制作会社は経験が積みやすいがハードワークになりがち
  • 事業会社のインハウスデザイナーは安定しているが成長速度が遅い場合も
  • UI/UXデザイナーへの転向で年収が一気に上がるキャリアパスがある
  • フリーランスへの転向は自由度が高い反面、案件獲得・収入の安定が課題

「スクールを卒業して制作会社に入った最初の1年は年収260万円だった。 毎日バナーを何十枚も作るような仕事で、 おしゃれなサイトをデザインするイメージとはかけ離れていた。 でも量をこなしたことでスキルが上がって、 2年後に事業会社に転職したら年収が100万上がった。 最初の会社はつらかったけど、修行だと思って乗り越えてよかった。」

28歳・女性・制作会社 → 事業会社インハウスデザイナーへ転職

③ 向いている人・向いていない人

向いている人

  • 見た目の美しさ・使いやすさへのこだわりが強い
  • フィードバックを受けてデザインを何度も修正することが苦にならない
  • トレンドへのアンテナが高く、デザインの流行を自然に追いかけている
  • 「なぜこのデザインにするか」を言語化して説明できる
  • 自分の作品を作り続けることが楽しいと感じる

向いていない人

  • クライアントの修正要求が続いてもモチベーションを保てない
  • 「センスがある」と言われたいだけで、地道な作業への忍耐がない
  • デザインツールの操作を覚えることへの抵抗感が強い
  • 数字・成果への関心が薄い(デザインも最終的にはビジネス成果に繋げる必要がある)
読者 ひより
絵を描くのが好きで、センスには自信があります。 それってWebデザイナーに向いていますか?
あたる あたる
絵のセンスとWebデザインのセンスは別物です。Webデザインは「見た目の美しさ」より「目的を達成するための設計」が重要で、クライアントの要望に応えながら成果を出すことが求められます。センスより「なぜこのデザインか」を説明できる論理力の方が重要なことも多いです。

④ 未経験からWebデザイナー転職の現実

未経験からのWebデザイナー転職は可能ですが、エンジニア以上に競争率が高く、ポートフォリオの質が全てと言っても過言ではありません。

現実①:ポートフォリオがなければ書類通過しない

Webデザイナーの選考では、職務経歴書よりポートフォリオの方が重要視されます。どれだけ熱意を書いても、作品がなければ選考に進むことができない会社がほとんどです。

💡 ポートフォリオに入れるべきもの:架空のサイトでも全く問題ありません。「〇〇というコンセプトで、〇〇というターゲットに向けてデザインした」という制作意図を必ず添えてください。作品数より1作品ごとの完成度と説明力が評価されます。

現実②:最初の仕事はバナー制作・コーディングが中心になりやすい

未経験で入社すると、最初はサイト全体のデザインよりバナー制作・既存サイトの更新・コーディングの補助が中心になるケースが多いです。「自分のデザインでサイトを作りたい」という気持ちが強すぎると、実際の業務とのギャップに悩む可能性があります。

「スクールで半年勉強してWebデザイナーに転職した。 最初の仕事は毎日バナーを何枚も作る作業で、 自分がイメージしていた仕事とは全然違って落ち込んだ。 でも先輩に『バナーを大量に作ることで目が肥える』と言われて続けていたら、 1年後には自分でLPのデザインを任されるようになった。 最初のギャップに耐えられるかどうかが分かれ目だと思います。」

26歳・女性・事務職 → Webデザイナーへ転職(2年目)

現実③:コーディングができないと求人が絞られる

「デザインだけやりたい」という希望は理解できますが、HTML・CSSのコーディングができない場合、応募できる求人が大幅に減ります。特に中小企業やWeb制作会社では、デザインとコーディングを両方こなせる人材を求めることが多いです。

  • HTML・CSSの基礎は最低限身につけておくと選択肢が広がる
  • WordPressの操作経験があると求人の幅が広がる
  • JavaScriptまで習得できると即戦力として評価されやすい

⑤ ポートフォリオの作り方と重要性

読者 ひより
ポートフォリオって何を作ればいいんですか? 実務経験がないのに作品なんて作れるか不安で。
あたる あたる
架空のサイトで全然OKです。むしろ「コンセプトを自分で考えて作った作品」の方が、実務経験より評価されるケースもあります。大事なのは「なぜこのデザインにしたか」を説明できることです。
1
ターゲットとコンセプトを決める

「30代女性向けのカフェのサイト」「20代男性向けのジムのLP」など、ターゲットとコンセプトを先に決めてからデザインします。コンセプトなしに作ったデザインは評価されません。

2
3〜5作品を丁寧に仕上げる

作品数より完成度です。10作品の雑なデザインより3作品の完成度の高いデザインの方が評価されます。LP・サービスサイト・ECサイトなど種類を変えると幅が見えます。

3
制作意図を必ず添える

「なぜこの配色にしたか」「なぜこのレイアウトにしたか」を各作品に添えます。デザインの判断に論理的な根拠があることを示すことが、採用担当者への最大のアピールになります。

4
ポートフォリオサイト自体もデザインする

作品をPDFで送るより、ポートフォリオサイトを自分で作って公開する方が評価が高いです。サイト自体がデザインと実装力の証明になります。

⑥ 転職で確認すべきこと

面接・応募前に必ず確認すること

  • 制作会社か事業会社(インハウス)か:制作会社は経験が積みやすいがハードワークになりやすい。事業会社は安定しているが成長速度が遅い場合もある
  • 使用ツール:Figma・Photoshop・Illustratorのどれを主に使うか。自分が習得しているツールと合っているかを確認する
  • コーディングの有無:デザインだけか、コーディングも担当するかで求められるスキルが変わる
  • 1人デザイナーか組織か:1人で全部やる場合、フィードバックをもらいにくく成長が遅くなる可能性がある
  • 修正回数・フィードバックの文化:クライアントや上司からの修正指示が多い環境かどうかを確認する
💡 使える質問例:「デザインの制作からコーディングまで一人で担当しますか?それとも分業ですか?」「1案件あたりの修正回数の目安はどのくらいですか?」この2つで入社後の業務イメージが掴めます。

「転職して3年。今はインハウスデザイナーとして働いています。 最初の制作会社時代は修正が多くてきつかったけど、 今思えばあの経験があったから今のクオリティで仕事ができる。 Webデザイナーは最初の2年が一番しんどいけど、 続けた人だけが見える景色があると思っています。 センスより継続力の方が大事な職種です。」

30歳・女性・インハウスWebデザイナー(3年目)

⑦ まとめ

📌 この記事のまとめ
  • Webデザイナーはデザイン・コーディング・バナー制作・UI/UXなど種類が広く、求人によって業務内容が大きく違う
  • 未経験転職はポートフォリオの質が全て。架空サイトでも「制作意図を言語化できているか」が評価される
  • 最初の仕事はバナー量産・コーディング補助が中心になりやすい。ギャップを受け入れる覚悟が必要
  • HTML・CSSのコーディングができないと応募できる求人が大幅に減る
  • センスより継続力・論理的説明力の方が長く活躍できる職種
あたる あたる
Webデザイナーは「センスがある人がなる仕事」ではなく「作り続けた人がうまくなる仕事」です。まずFigmaの無料版で何か作ってみてください。作ることが楽しいと感じたなら、転職を本気で考える価値があります。
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