SIer(システムインテグレーター)の世界には、複雑かつ多様な要素が絡み合っています。
SIerとは顧客の要求を満たすために、
- システム開発から運用
- 保守
までを一貫して提供する企業のことです。
そこで本記事では、SIerがどのような仕事をしているのか、またその業界のリアルを深掘りします。
さらに、SIerで働く営業職、エンジニア職、そしてスタッフ職の概要と、求められるスキルセットについても詳しく解説します。
あなたが「IT営業」として成功するために必要な情報があるので最後までお読みください。
SIer(システムインテグレーター)とは
SIerは、企業や組織の情報システムの全般を
- 設計
- 開発
- 運用
まで一手に担うプロフェッショナル集団。
主に情報技術を駆使し、それらを統合して最適なシステムを提供します。
これにより、クライアント企業のビジネス効率化、コスト削減、さらには新たなビジネスチャンスをつかんでもらう仕事です。
SIerの事業
SIerの事業は幅広くあって、主に以下3つの事業です。
システム開発
SIerの主軸となるのがシステム開発です。
企業の要求や市場の変化に応じたオーダーメイドのシステムを設計・構築することが主な仕事です。
プロジェクトの規模は小規模なものから大規模なものまであり、
- データベース設計
- アプリケーション開発
- インフラ構築
など、多岐にわたる技術が求められます。
システム開発は、その過程において次のような具体的なステップが含まれます。
- ニーズの詳細なヒアリング
- システム設計の基本計画の策定
- 実装及びテスト
- 運用・保守
要求に応じて柔軟に対応する必要があります。
運用に必要な製品販売
SIerはシステム開発だけでなく、そのシステムを運用する上で必要となる各種製品の販売も行っています。
上記のようにハードとソフトの両面から製品を提供しています。
クライアント企業のシステム環境を安定的に保ち、ビジネスの継続性を高める事業です。
SES事業
SES事業(システムエンジニアリングサービス)は、技術者をクライアントに派遣し、システム開発や保守をサポートするサービスです。
このサービスによって、クライアントは専門的な知識が必要なITプロジェクトにおいて、必要なときだけ専門スタッフを確保できるので非常に効率的。
SES事業を提供するにあたり、SIerは以下のような点に注力します。
- 高度な技術力と経験を持つエンジニアの育成
- プロジェクトに応じた適切な人材のアサインメント
- クライアントとエンジニア間の円滑なコミュニケーションの確保
SIerの平均年収
SIer業界では、平均年収がさまざまな要因によって異なりますが、一般的には500万円〜800万円ほど。
業務の内容やポジション、経験年数によって大きく変動します。
特に、経験豊富なエンジニアやプロジェクトマネージャーの場合、年収はさらに上昇する傾向にあります。
SIerとしてのキャリアを積むほど、専門性の高い知識やスキルが求められるため、それに伴う給料もUPします。
SIerの残業時間
SIer業界においては、プロジェクトの締め切りやクライアントからの要求によって残業が多くなりがち…。
調査によると、月平均の残業時間は20時間〜50時間程度とされています。
一方で、期間によってはそれ以上になることも。
「SIerやめとけ」という厳しい意見もあるように、ワークライフバランスの取りづらさは課題とされています。
SIerの職種
SIerには3つの職種があり、それぞれの職種の特徴を紹介します。
営業職
SIerの営業職は、顧客のニーズに応じたシステムの導入提案や、プロジェクトの契約交渉を行う重要な役割です。
営業職の特徴としては、以下のポイントが挙げられます。
- クライアントと密接に関わり、長期的な関係を築く
- 新規顧客の開拓と既存顧客のフォローアップ
- 提案活動で、技術的な知識も必要
クライアントがSIerの技術をどのように活用するかを理解し、最適なソリューションを提案する能力が求められます。
そのため、SIer営業はただの商談だけでなく、技術的な側面も理解していなければなりません。
「SIer営業の具体的な仕事内容」で詳しく紹介してますのでよかったらどうぞ。
エンジニア職
エンジニア職は、システムインテグレーションの中核を担う職種で、具体的な技術的実作業を行います。
主に以下の業務を担当。
- ソフトウェアの開発
- システムの設計と構築
- テスト及び評価の実施
エンジニアは、プロジェクトの要件を正確に把握し効率的かつ効果的なシステム解決策を開発する必要があります。
スタッフ職
スタッフ職には、プロジェクトのスムーズな進行をサポートする仕事。
具体的な役割には以下のようなものがあります。
- プロジェクトサポート
- 文書の管理と整理
- 会議の設定と運営サポート
この職種では、コミュニケーション能力や組織力が特に重要。
プロジェクトチーム全体の効率を向上させるために中心的な役割を果たします。
プロジェクトの成功には欠かせない役割であるため、スタッフ職の責任は非常に大きいんです。
SIerで必要なスキル
SIerとして働くには、以下の3つスキルが必要です。
それぞれのスキルがどのように役立つのか、具体的に見ていきましょう。
問題解決スキル
SIerに求められる問題解決スキルは、問題に対して効果的かつ効率的な解決策を見つけ出す能力です。
理由としては、プロジェクトの進行上で様々な課題が発生するから。
特に、システム開発や導入の過程で問題が発生したときに、的確な判断が求められます。
- 分析能力(問題の原因を迅速に特定する力)
- 創造性(標準的な解決策にとらわれず、新しいアプローチを考える力)
- 意思決定力(最適な解決策を選び、迅速に行動に移す力)
上記のスキルは、SIerとして働く上での基礎を形成するもの。
クライアントからの信頼を獲得し、プロジェクトを成功に導く鍵となります。
チームマネジメントスキル
チームマネジメントスキルは、プロジェクトを円滑に進行させるためには欠かせないスキルです。
さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが一つの目標に向かって効率よく作業を進めるためには、高いマネジメント能力が求められます。
- コミュニケーション能力(明確かつ効果的に情報を伝える力)
- モチベーション向上能力(チームメンバーの意欲を引き出し、維持する力)
- 対人スキル(異なる性格や専門性を持つメンバーとの円滑な関係を築く力)
この辺のスキルがあると、チーム内の各メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮してくれて、プロジェクト全体の成果につながります。
ビジネススキル
ビジネススキルは、技術的な面だけでなくビジネスとしての成果を出すためにも重要です。
市場の動向を理解し、それに応じた戦略的な提案ができる能力が求められます。
- 市場分析力(市場のトレンドを敏感に捉え、影響を分析する力)
- 戦略策定能力(適切なビジネスモデルや戦略を考案する力)
- 交渉力(クライアントやパートナー企業との交渉において、最良の条件を引き出す力)
上記スキルにより、SIerはただの技術提供者ではなくビジネスの成長を促進するパートナーとしての役割を果たすことができます。
SIerスキル身につかない?スキルない?
結論から言うと「SIerは、スキルが身につく」です。
具体的には以下の表のようになります。
- マネジメント能力
- 用件定義
- 基本・詳細設計
- 開発
- プログラミング
情報技術を活用したシステムの開発や導入などを行う企業で、「SIerやめとけ」との声がある一方で、専門的なスキルを持つことが非常に重要です。
しかし、実際にSIer業界で働きたいと思う人や、すでに働いている人でも「スキルがない…」と感じている方は少なくありません。
SIerに就職する方法
SIer業界への就職は、専門的なスキルと知識が求められます。
これからSIerに就職したいと考えている方や、業界で活躍するためにスキルアップしたい方へ向けて、やり方を紹介します。
最低限のスキルを身につけておく
SIerとして就職するためには、最低限のITスキルが必須です。
プログラミング知識だけでなく、システムの設計や管理、さらにはトラブルシューティングの能力も含まれます。
具体的な方法を以下です。
この辺を習得しておくのがおすすめ。
SIerに強い転職エージェントを利用する
SIer業界への道は様々ありますが、特に効果的なのは、SIerに強い専門の転職エージェントを利用することです。
これにより、
- 業界特有の情報
- 未公開求人へのアクセス
が可能になります。
転職エージェントでは、以下のサポートを受けることができます。
- 業界に精通したコンサルタントからのキャリアアドバイス
- 求人の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 条件交渉
この辺のサポートが無料で受けられます。
【まとめ】SIer営業は将来性もあって年収にも期待大
異業種からIT業界への転職を考えている方には、SIerはおすすめです。
- 将来性
- 収入
- 身につくスキル
この辺がGETできるから。
20代で転職に悩んでいるならIT業界のSIerを目指してみてくださいね。